この度、モーションキャプチャ関連の特許を取りました。この特許の内容はシンプルで、1カメラのモーションキャプチャで取った歩行データから正確に歩幅を計測するというものです。
歩幅を正確に測る最も確実な方法は足跡を取る方法です。足跡のかかとの位地から反対側のかかとの位地までの進行方向に向けての距離を取ります。ですが、モーションキャプチャで歩幅を取ることは案外難しく、いくつかのボディートラッキングのシステムでは、AnkleやToeはとれてもHeelはとれません。もし取れたとしても、常に地面と近いかかとが正確にどの地点で地面に接地したのかを特定するのが難しいのです。
この特許ではかかとの1点に注目するのではなく、歩行周期の下肢全体の動作全体に注目し、立脚中期のAnkleの位置などをかかとの接地点の代わりに使うという方法で歩幅がほぼ正確に取れるという内容になります。
このロジックの検証は、バイオメカニクスに強い整形外科の先生方が協力してくださり、その検証結果は日本臨床バイオメカニクス学会の学会誌にも掲載されました。その検証とは、足の裏に墨汁を付けて紙の上を歩くのと同時に、ボディトラッキングと上記ロジックで取得した歩幅を比較するという原始的ですが確実な方法で行われました。もちろん当社のメンバーも足に墨汁を塗って歩きました。
検証はKinect V2を用いて行ったのですが、奥行き方向が正確に取れるToFセンサーなどを利用したボディトラッキングのシステムであれば、同様の結果が得られると思います。
Team xRではボディトラッキングの応用について、体を張って追求しています。無理だと思っていたことも、ちょっとした工夫でブレイクスルーが得られるかもしれません。ボディトラッキングについてのお悩みはTeam xRまでご相談ください。
参考)
論文雑誌名 : 臨床バイオメカニクス (日本臨床バイオメカニクス学会誌)
発行年月 : 2019年 10月 1日
巻(Vol.)号 : 40 ページ: 219-222 発行年:2019年 10月 1日
表題 : Kinectを応用した動作分析装置「鑑(あきら)」の歩行分析機能における正確性の検証