こんにちは、Team xRのベンソンです。
長年続いてきたプロジェクトがスケールアップすることになったのでスクラムを導入し、今までの開発手法やプロジェクト管理の改善を行いました。今回は導入を行って得られた成果などについて書きたいと思います。スクラムについての説明は記載しておらず、あくまで自分の感想や実施した事についての話になるので、スクラムについて知っている方を対象にした記事となります。
スクラムを導入する理由
プロジェクトのスケールアップに伴って顧客の要望もどんどん多くなり、開発手法の管理と顧客との連携に追いつかない課題がありました。具体的には以下のような課題がありました。
- 顧客とのコミュニケーション量
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- 開発が開始した後のコミュニケーションの機会が少なく、作ったものが要望を満たしているのか不明瞭
- 改善の機会
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- 振り返りの機会が少なく、プロセスの改善がほとんどできなかった
- ドキュメントの参照先
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- 仕様書やデザインを確認したい時に参照するファイルの検索効率が悪かった
- 仕様変更や修正タイミング
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- 日々作業順序を修正せざるを得ず、手戻りや無駄になる作業が発生してしまうケースがあった。最悪の場合、いつまでたってもシステムが完成しない事態になりかねない状況であった
- etc.
今回この課題を解決するためにスクラムの導入を顧客に提案しました。
導入準備
最初はスクラム導入の調査を行い、必要な作業を洗い出しました。【SCRUM BOOT CAMP THE BOOK】という本が分かりやすくてとても参考になるのでおすすめです。
トピックは以下の項目になりました。
スクラムを導入する目的を顧客に説明
主にスクラムを使うメリットについて書きました。特にスクラムの3本柱「透明性」「検査」「適応」について説明しました。
利用ツールの選定
今まではExcelシートやGithubでタスク管理していましたが、他のチームがJIRAを使っているのを見てプロダクトバックログやタスクボードが使いやすそうだったのでJIRAにしました。Confluenceもセットで使えるので今までバラバラになっていた資料を簡単に集めることができました。
チーム体制
開発チーム以外に、プロダクトオーナーとスクラムマスターの2つの役割が必要となります。各役割の内容について説明し、誰が何を実行するのかを説明しました。
スプリント
スプリントの期間は一般的に1〜4週間になりますが、プロダクトの改善サイクル(リリースしてフィードバックをもらってそれを対応し、再度リリースする事を繰り返す)のスピードアップを考えると1週間にしました。そうするとスクラムの改善サイクル(サイクル終了後のレトロスペクティブ)も同じく短く回せるのでこれがベストだと思いました。
イベント
提案したスクラムイベントのスケジュールは以下としました。
- デイリースクラム:毎日10:00~10:15
- スプリントプランニング:毎週月曜日、10:00~11:00
- スプリントレビュー:毎週金曜日、13:00~16:00
- スプリントレトロスペクティブ:毎週金曜日、16:00~17:00
他のやること
- 「完成」の定義
- プロダクトゴールや価値の明確化
- ドキュメント作成
- ツールの利用方法についてチームと顧客に共有
導入について顧客や関係者に提案した結果、受け入れていただいたので導入することになりました。
実施した結果
導入から半年ほどかけて、スプリント後のリリースが段々クオリティが上がってきました。開発側のスプリントの成果を顧客に披露することでフィードバックのコミュニケーション量も増え、導入前の課題は大分解決できたように思います。
課題はまだ残っていますが、これからも改善を繰り返してチームの練度を高めてプロジェクトを成功させていきたいと思います。
メンバーの感想
チームメンバーの反応は想定以上に好評で、特に開発サイクルに入っているタスクが変わらないので開発に集中しやすくなる点が挙がってきました。
以下は、メンバーからの感想を一部抜粋したものです。
- 「 顧客との打ち合わせに参加することで、要件をより深く理解することができました。そのおかげで顧客が想定していなかったものを作ることを避けられ、プロジェクトの進捗がスムーズになっていると思います」
- 「今の短い開発サイクルはすごくいいと思います。毎日のデイリースクラムでタスクに関する問題を共有し、みんなで解決することでタスクを早く完成させることができました。」
おわりに
メンバーが慣れるまで時間が掛かり、下準備が大変でしたが、導入したおかげでアジャイルの俊敏性が高い開発を保ちつつ、よりクオリティ高いものが作れるようになったと強く感じています。
導入を考えている方やスクラムに興味がある方に少しでも参考になったら嬉しいです。
ありがとうございました!
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